【日本酒事始め】すぐわかる!代表的な6種類のお酒の造り方や特徴を解説!

前回の記事「お酒の基本は3種類!覚えておきたい知識を解説」では、お酒の基本的な分類について解説しました。

基本的にお酒は、ベースとなる製造方法により「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つの『酒類』に分けられます。
さらに、ここから、原料やアルコール度数、造られる地域などにより、お酒は、様々な種類に分類されます。
それぞれのお酒の造り方や特徴を覚えておくと、より知識が深められるのでおすすめです。

今回は日本酒やワイン、ビールなど、代表的な6種類のお酒の造り方と特徴を解説します。
意外と知らないお酒の造り方や特徴を本記事で知っておきましょう。

 

日本酒とは?


日本酒は、醸造酒にあたるお酒で、「米」と「米麹」を原料とします。
本来、お米には糖分が含まれていませんが、米麹を使うことでお米のデンプンを糖化させ、酵母の力でアルコール発酵を行います。
この糖化とアルコール発酵を同時に行う”並行複発酵酒”は、世界でも類を見ない高度な技術です。

そして、日本酒は「原料」と「精米歩合」によって、8つの種類に分けられます。
普段、飲んでいる日本酒をよく見ると、”大吟醸酒”や”吟醸酒”、”特別純米酒”などの名称が記載されていますよね。
これらは、「特定名称」と呼ばれており、日本酒を分類する際に重要です。

日本酒は原料によって「純米酒」と「本醸造酒」に分かれる

日本酒は、まず「原料」よって、2つのカテゴリーに分けられます。

  • 純米酒:米と米麹
  • 本醸造酒:米と米麹+規定量内のアルコール

「純米酒」は、米と米麹のみが使われているお酒、「本醸造酒」は、「純米酒」に規定量内のアルコールを足したものです。
なお、どちらにも該当しないものは「普通酒」と呼ばれていますが、これは「特定名称」ではありません。

日本酒は精米歩合によって4種類に分かれる

「純米酒」と「本醸造酒」というカテゴリーはそれぞれ、「精米歩合」によって「普通のもの」「特別酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」と4つの種類に分けられます。

「精米歩合」とは、玄米の状態から表層部分を削り取って白米にした後に、残ったお米の割合のことです。

日本酒は原料と精米歩合によって合計8種類に分かれる

「原料」によって分けられる2つのカテゴリーと、「精米歩合」によって分けられる4つの種類があるので、日本酒は「原料」と「精米歩合」で8つの種類に分けられるというわけです。

以上をまとめると、下の表のようになります。

 

普通のもの(「本醸造酒」系は精米歩合70%以下) 特別酒(精米歩合60%以下または特別な製法) 吟醸酒(精米歩合60%以下で吟醸造り) 大吟醸酒(精米歩合50%以下で吟醸造り)
「本醸造酒」系 本醸造酒 特別本醸造酒 吟醸酒 大吟醸酒
「純米酒」系 純米酒(※) 特別純米酒 純米吟醸酒 純米大吟醸酒

日本酒は、米というシンプルな原料を利用したお酒です。そのため、原料はもちろん、精米歩合によっても味が変化します。

一般に、精米歩合が高いと香りは控えめで、お米の旨味が凝縮されたお酒になる一方、精米歩合が低いと香り高く、クリアなお酒に仕上がります。

日本酒の特定名称を理解しておくと、分類を見ただけである程度、味や香りの予測が可能になります。

 

ワインとは?

ワインは、ぶどうから造られる醸造酒です。
原料自体に糖分があるため、糖化させる必要がなく、自然とアルコール発酵が進みます。
そのため、ワインはぶどう自体の出来が味わいに直結します。

ワインは基本的に4種類

【ワインの種類】

名称 特徴
スティル・ワイン 炭酸ガスを含まないワイン
スパークリング・ワイン 炭酸ガスを含んだワイン
フォーティファイド・ワイン 度数の高いアルコールを加えたワイン
フレーバード・ワイン ハーブや果実などで風味をつけたワイン

一般的にワインは、上記の4種類に分類されます。この中でも、スティル・ワインは、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインなど炭酸ガスを含まないワインを指し、私たちの生活の中で好んで飲まれています。

赤ワインと白ワインの違い

さらに、ワインを知るうえで覚えておきたいのが、赤ワインと白ワインの違いです。その違いは、主にぶどうの絞り方の違いによって生じます。

赤ワインは収穫後、皮や種も一緒に果汁にし、発酵させます。
一方、白ワインは収穫後、果汁のみを発酵させます。

赤ワインと白ワインの見た目を決定付ける色や、味の違いの特徴である渋さは、この製造工程の違いによって生まれます。

赤ワインの色は皮に、味の特徴である渋さは種に含まれているため、色は赤や濃い紫色になり、味は渋みを含んだものとなります。

一方の白ワインは皮や種を含まないため、色は白や黄色がかった色になり、味は辛口のものから酸味や甘みのあるものまで、さまざまな味わいのものが存在します。

 

ビールとは?

ビールは、麦芽やホップを原料に造られる醸造酒です。
また、副原料として米やとうもろこし、デンプンなども利用されています。
ビールを造る際は、「単行複発酵」と呼ばれる製造方法で造られることが一般的で、糖化とアルコール発酵を別々に行い、ビールを造ります。

ビールの発酵方法は3種類

【ビールの発酵方法と種類】

発酵方法 種類
ラガー(下面発酵) ピルスナー、ドルトムンダー、ボック など
エール(上面発酵) エール、ポーター、スタウト など
自然発酵系 ランビック など

ビールは、発酵方法によって3つの種類に分かれます。

ラガー(下面発酵)とは?

「ラガー」は、日本でも定番のビールです。
キリンラガーなど、国内のメーカーから様々なブランドで提供されています。
培養した酵母を使って10℃前後の低温で発酵させ、熟成期間は数ヶ月程度です。

「ラガー」の発酵過程では酵母がタンクの下へ沈んでいくことから、その発酵は”下面発酵”と呼ばれています。

「ラガー」とは、ドイツ語で「貯蔵」という意味で、ビールを仕込んで数か月間「貯蔵」してから飲まれるため、「ラガー」と言います。

19世紀までは低温で貯蔵することが技術的に難しかったため、この「ラガー」ビールはドイツの一部地域で造られ飲まれるだけでしたが、冷却器などが発明されると、「ラガー」ビールは他の地方でも作られるようになり、それまで主流であった「エール」に代わって、ビールの主流となりました。

飲み口は爽やかで、適度な苦味もあり、日本でも馴染み深い味わいです。

エール(上面発酵)とは?

「エール」は、日本で”クラフトビール”や”地ビール”として発売されています。
培養した酵母を使って20℃前後の常温で発酵し、熟成期間は数週間と短いです。

エールの発酵は、「ラガー」とは逆に、発酵の過程で麦汁の上に酵母が浮かんでいくことから、”上面発酵”と呼ばれています。

「ラガー」の説明で紹介したように、19世紀に「ラガー」が流行するまでは、ビールと言えば、この「エール」のことでした。
それは、「エール」は常温下で、数週間と短い期間で造ることができて、造りやすかったためです。

飲み口は香りや苦味が強く、コクのある味わいが特徴的です。

自然発酵系とは?

「自然発酵系」は、野生の酵母を利用した自然発酵が特徴的なビールです。
エールもラガーも、ビールを造るために培養した酵母を利用して造られるのですが、「自然発酵系」のビールは、そうした人為的な酵母を使わずに造られるのです。
人類が酵母を発見するまでは、ビールは全てこの自然発酵によって造られていました。

発酵を促す酵母を人為的には加えない、という意味では、ラガーやエールに比べると、ワインに近い製法で造られていると言えます。

チーズのような香りと酸味の強さが特徴的なお酒で、酸味があるという意味では、ビールよりも、ワインやシャンパンに近い味わいになります。

 

焼酎とは?

【焼酎の種類】

名称 原料 度数 製法 味わい
連続式蒸留焼酎 廃糖蜜、酒粕 など 36℃未満 何度も蒸留を繰り返す 味に個性がほとんどない
単式蒸留焼酎 芋 麦 米 など様々 45℃以下 1回のみ蒸留を行う 原料による味の個性がある、原料由来の癖が強い

焼酎は、蒸留酒に該当するお酒です。
焼酎の分類と言えば、かつては「甲類」「乙類」という分け方がされていましたが、2006年からは「連続式蒸留焼酎(旧 甲類)」「単式蒸留焼酎(旧 乙類)」という分け方に改められました。
いずれも酒税法による分類ですが、分かりやすくなったのか分かりにくくなったのか、よく分からない名前に感じます(笑)

それはともかく、それぞれ酒税法により定義がされていますし、また、特徴がありますので、それを上の表に簡単にまとめてみました。

芋・麦・米焼酎の特徴

芋、麦、米は焼酎の原料として定番です。
こちらの特徴も覚えておきましょう。

  • 芋焼酎:独特の香りと主張の強い風味が特徴的。ある程度癖があるため、水割りにしても特徴が崩れない
  • 麦焼酎:香ばしい香りが特徴的なお酒。香りが強く旨味のあるものから、すっきりとしたものまで種類が豊富
  • 米焼酎:米の香りや甘みが強く、どちらかというと日本酒の吟醸酒に近いフルーティーな香りと味わい

このように、焼酎は原料と製造方法によって、味わいが異なります。
芋や麦、米以外にも、そばや黒糖、最近では、紫蘇にトマト、ゴマなどを使った焼酎などもあり、それぞれ、原料を反映した味になっていますので、一度、試してみると面白いと思います。

 

ウイスキー・ブランデーとは?

ウイスキーとブランデーは、共に蒸留酒に該当するお酒です。

ウイスキーの原材料は、大麦やライ麦、トウモロコシなどです。

ウイスキーは、ビールと同じように、麦を発芽させた麦芽に含まれる酵素を利用してデンプンを糖化させ、アルコール発酵を促して「ウォッシュ」と呼ばれるウイスキーのもととなるお酒を造り、それを蒸留し、木製の樽に詰めて数年間熟成させて造られます。

蒸留酒であるためアルコール度数が高く、私たちがよく見かけるものは40%前後のものが多くなっています。

ウイスキーは「原材料」または「生産地」によって分類されます。

「原材料」による分類では、大麦麦芽(モルト)のみを原料とする「モルト・ウイスキー」と、穀物(グレーン)を主原料に大麦麦芽を加えて造られる「グレーン・ウイスキー」、そして両者をブレンドした「ブレンデッド・ウイスキー」の分類が有名です。

「生産地」による分類では、「スコッチ・ウイスキー」「アイリッシュ・ウイスキー」など、生産地を冠した分類の仕方が行われます。

世界5大ウイスキー

ウイスキーには、生産地による分類に基づく、「世界5大ウイスキー」と呼ばれるウイスキーが存在します。

【世界5大ウイスキー】

名称 内容
スコッチ・ウイスキー スコットランドで製造されたウイスキー。世界でもっとも生産量が多い。
アイリッシュ・ウイスキー アイルランドで製造されたウイスキー。3回蒸留して造られる。
アメリカン・ウイスキー アメリカで製造されたウイスキー。有名なのはバーボンウイスキーなど。
カナディアン・ウイスキー カナダで製造されたウイスキー。飲みやすい味わいが特徴的。
ジャパニーズ・ウイスキー 5大ウイスキーの中でもっとも歴史は浅いが、近年人気が高まっている。

ひとくちにウイスキーといいますが、生産地やメーカーによって、ウイスキーは香りや味わいが異なります。

ここでは、5大ウイスキーを取り上げましたが、これ以外の国でもウイスキーは作られており、かつてイギリスの植民地だった国々ではスコッチ・ウイスキーの製法に準じたウイスキーが生産されています。

その中でも、特にインドでは、近年、ウイスキーの生産量が増えているそうです。

ブランデーの種類も豊富

ブランデーは、主に白ワインを蒸留して造られているため、原材料はぶどうであることがほとんどです。

ブランデーもウイスキーと同じように、蒸留した現役を樽に入れて、熟成させることにより独特の味わいと香りが生まれます。

ウイスキーはイギリス・アイルランドで生まれたため、主にイギリスの植民地だった国々で生産されていますが、ブランデーはワインを蒸留して造られるお酒であるため、ヨーロッパのワイン生産国で造られています。

その中でも、ワイン生産が盛んなフランスで最も多く造られています。
ブランデーの銘柄で有名な「コニャック」「アルマニャック」などはフランスの地方名ですし、「ヘネシー」「レミーマルタン」はコニャック市で造られているブランドです。

ブランデーは熟成年数で分類、というよりはむしろ、等級付けされることが多いお酒です。
銘柄などによっても異なりますが、概ね以下のようになっています。

【ブランデーの等級付け】

1つ星 3-4年熟成させたもの
2つ星 5-6年熟成させたもの
3つ星 7-10年熟成させたもの
VO 11-15年熟成させたもの(Very Oldの略)
VSO 16-20年熟成させたもの(Ver Superior Oldの略)
VSOP 20-30年熟成させたもの(Very Superior Old Paleの略)
VVSOP 30年以上熟成させたもの(Very Very Superior Old Paleの略)
ナポレオンXO、エクストラ 最上級のもの

たまに、ブランデーで「ナポレオン」というブランドや銘柄があるように言われることがありますが、「ナポレオン」は、そういう銘柄やブランドがあるわけではなく、各銘柄やブランドで「最上級」であるという、いわば『等級』として使われているのです。

さて、最初に、ブランデーは「原材料はぶどうであることがほとんど」と書きましたが、ブランデーには、原材料がブドウでないものもあります。

日本でもなじみのあるものとしては「カルヴァドス」が挙げられるでしょう。
こちらはリンゴが原材料のブランデーです。

その他にも、サクランボが原料の「キルシュヴァッサー」、プラムが原料の「スリヴォヴィッツ」などがあります。

 

スピリッツ・リキュールとは?

スピリッツとリキュールは、どちらもアルコール度数の高い蒸留酒です。

【世界4大スピリッツ】

名称 原材料
ジン 穀類 ジュニパー ベリー など
ウォッカ 穀類 トウモロコシ など
ラム サトウキビ
テキーラ リュウゼツラン(副原料として糖蜜 など)

上記のスピリッツは、世界4大スピリッツと呼ばれるものですが、このほかにも、北ヨーロッパなどで造られているジャガイモを原料とした「アクアヴィット」や、ナツメヤシやブドウなどを用いて中近東で造られてきた伝統的なお酒「アラック」といった名称のものが存在します。

リキュールは基本的に4種類に分かれる

一方、リキュールは果実や香草で風味づけした蒸留酒などを指します。主に、「果実系」「種子系」「薬草・香草系」「特殊系」に分けられます。

「果実系」のリキュールとしては、日本人には梅酒が真っ先に挙げられるでしょう。
他には、カシス・オレンジやカシス・ウーロンに使われるカシス、正式には「クレーム・ド・カシス」などが代表例です。

「種子系」のリキュールでは、カルーア・ミルクで有名な、コーヒー豆とサトウキビの蒸留酒をベースに造られた「カルーア」が挙げられるでしょう。

「薬草・香草系」のリキュールとしては、カンパリ・オレンジに使われている「カンパリ」が代表格でしょう。
「カンパリ」はその製法が明らかとなっておらず、どんな材料が使われているのか、はっきりしていないようです。

「特殊系」のリキュールでは、「ベイリーズ」が挙げられます。
アイルランド原産のリキュールで、クリームとアイリッシュ・ウイスキーを主原料として造られています。

 

代表的なお酒の造り方と特徴を覚えておこう!

代表的なお酒の造り方や特徴について紹介してきました。

普段何気なく飲んでいるお酒ですが、その造り方や特徴について知っている方はそれほど多くはありません。
一見すると、覚えにくいように思えますが、基本的にはどのお酒も「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」3つの酒類に分類されます。

同じ酒類であっても、原料や製法によって全く違うお酒になるのは面白いですよね。
こうしたお酒の造り方や特徴を覚えておくと、ちょっとした小話として披露できます。

また、実際にお酒を飲む際に思い出せば、違った味わい方が可能です。
ぜひ、本記事を参考にお酒の種類を覚えてみてください。

 

次回は、第3回「日本酒の味は「4つのタイプ」に分けられる!」です。

 

【参考文献】
NPO法人FBO 日置晴之/大森清隆/板場正義/長田卓 著『もてなしの基(MOTOI)』 NPO法人FBO 2017年
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI) 著『新訂 日本酒の基』 NPO法人FBO 2018年

 

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