日本酒の雑学、楽しみ方

 

ここでは、このサイトの使い方や解説を交えながら、日本酒に関する雑学や楽しみ方などを紹介しています。

 

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辞書を引くと「日本特有の製法で作られたお酒」と出てきます。その中でも特に、「米と麹と水を主に使用して作られるお酒」のこと=「清酒」を言う、とあります。

前者の「日本特有の製法で作られたお酒」というと、焼酎や梅酒なんかも日本酒と言えそうです。

一方、後者の「米と麹と水を主に使用して作られるお酒」というと、私たちがお店に行って、日本酒ください、と言った時に出てくるお酒がこれにあたるでしょう。一般的には、この後者のことを指しており、当サイトで「日本酒」と言っているものはこちらになります。

ちなみに、Wikipedia先生の日本酒に関する冒頭の定義は、後者を先に述べてから、前者を語る、というスタイルになっています。

 

 

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「1.そもそも、日本酒って?」にあるように、日本酒は「日本特有の製法で作られたお酒」なのですが、ここでいう「日本特有の製法」には、2つの意味が込められている、と管理人は勝手に思っています。

1つは、「ほかの国では見られない、日本だけが持っている製造方法」という「特有」本来の意味。

もう1つは、こちらが管理人の勝手な解釈ですが、「日本だけが持っている」というところから飛躍して、「他ではまねできない日本独自の『すごい』製造方法」という意味。

なにが『すごい』のか。

それは、お酒を造るのに欠かせない「糖分」がない「お米」という原料を使ってお酒を造れる、ということです。

そもそも、お酒は、「細菌」が「糖分」を分解することで造られます。この細菌のことを「酵母」と呼んでいます。酵母は日本各地、世界各地に数えきれないほどの種類があり、一つにはその違いが世界各地で異なるお酒を生み出している要因の一つとなっています。細菌ごとに、分解してできるアルコールは異なりますからね。

「『細菌』が『糖分』を分解して『お酒ができる』」ということは、「『糖分』がないと『お酒ができない』」と考えられます。

よく言われることなのですが、例えばワイン。

ワインはブドウから造られますが、ブドウはお米に比べて「糖分」が豊富です。ブドウとお米を食べ比べてみれば、どちらがより甘いか、といえば、たいていの場合、ブドウの方が甘く感じるでしょう。それは、ブドウがお米よりも「糖分」が豊富だからです。

「糖分」が多いと、細菌は活発に活動することができます。何しろ、糖分は活動のためのエネルギーでもあるわけですし。最近の活動が活発になれば、それだけ、細菌がお酒を多く造ることができるようになるのです。

それゆえ、一般的には、「糖分」の多いブドウをお酒にするのはそれほど難しくないのです。

しかし、日本酒の原料であるお米は、お酒になるための「糖分」がありません。「糖分」がないのにどうするとお酒になるのでしょうか。答えは、まず「糖分」を作る、です。お酒になるための「糖分」がないのであれば、その「糖分」を作ってしまえばいいわけです。この「『糖分』がないものから『糖分』を作り出す」というのが、日本酒造りの難しさであり、だからこそ、日本酒の製造方法は「すごい」のです。

前置きが長くなりましたが、ここからは、日本酒ができるまでをお話ししていきます。

日本酒の製造過程は、大雑把にまとめると、次のような感じになっています。

①精米 → ②洗米 → ③蒸し → ④麹・酒母造り → ⑤発酵 → ⑥濾過 →完成☆

① 精米

玄米から糠(ぬか)を取って白米にし、さらにお米の外側を削って、お酒造りに適した部分だけを残す作業です。

私たちが食べている白米は、だいたい90%くらいの精米歩合(玄米の時の状態に比べて残っているお米の割合)だそうですが、お酒にするときは、一般的には75%以下になるまで削ってしまいます。お米の外側には、お酒にしたときに味を悪くしてしまう成分が含まれているため、そうした部分を落としてしまうのです。

② 洗米

精米したお米を洗って、お米についている糠などの削り落としたものを取り除く作業です。洗米した後は、水に漬けておいて、お米に水を吸わせます。これを「浸漬(しんせき)」とよび、この水のしみ込み具合がお酒の味を大きく変えるそうです。

 

③ 蒸し

お米に水をしみ込ませたら、大きな蒸籠に移してお米を蒸します。

こうすることで、先ほどお話しした、お酒を造るのに必要な「糖化」が起こりやすくなります。蒸してお米をやわらかくすることで、細菌がお米を「糖分」に変えやすくなるのです。

④ 麹・酒母造り

「麹」とは、蒸したお米に麹菌というカビをかけて育てたもので、この麹が、「糖分」のないお米を「糖分」に変えてくれます。この「麹」はお酒造りの肝であり、また、土地ごとに異なり、当然、働き方も異なっていて、お酒の味を決定づけます。なお、この「麹」は、温度湿度を一定に保った特別な空間で培養されています。

「酒母」とは、その漢字が示す通り、お酒を作り出す「酵母」のことです。この「酵母」が「糖分」を「お酒」に変えていきます。

この「酒母」は「麹」と「水」を混ぜ合わせたものの中に入れ、さらに「蒸し米」を加えた桶の中で培養されます。この「酒母」も、他の菌などが入らないように、温度管理がされた特別な空間で培養されています。この空間を「酒母室」、または「酛場(もとば)」と言います。

⑤ 発酵

麹、酒母が培養されると、日本酒を作るための準備が完了します。

蒸したお米、麹、酒母、そして水を3回に分けて大きなタンクに入れて蒸したお米を発酵させてお酒を造ります。これらの材料を入れると、タンクの中に白い泡が出てきます。この状態のものを「醪(もろみ)」と言います。日本酒造りの映像でよく出てくるのがこれで、大きな入れ物に白いものがあって、何人かの人が長い棒を使ってかき混ぜている、あの場面です。

白い泡が出るのは発酵が起こっている証拠で、この時、「醪」の中では、次の二つのことが同時に起こっています。

I ) 「麹」が蒸したお米を分解して「糖分」に変える

ii) 「酒母」が「糖分」を分解して「お酒」に変える

ほとんどのお酒造りでは、この作業を別々に行うそうで、この辺が、「日本酒特有の」製造法になるようです。

ちなみに、「3回に分けて」入れるのは、雑菌が繁殖するのを防いで酒母の増殖を促すための工夫だそうです。

⑥ 濾過

発酵が進んで、「頃合い」と判断されたら、「醪」を搾って、お酒となった液体を取り出します。この液体は炭酸やいろいろな成分が残っていて、黄金色をしています。これを沈殿させたり、濾過させたりして、透明な日本酒が完成します。なお、絞りの時に残る液体にならなかった固形物が「酒粕」です。

このようにして日本酒は作られているのです。

 

 

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このサイトは、「日本酒の銘柄名から、その銘柄を飲むことのできる飲食店を検索することができる」ということを最大の特徴としています。ですので、まずは、その「銘柄」について少し書いておきます。

いろいろな定義の仕方があるとは思いますが、このサイトでは、「銘柄」は「ブランド」、あるいは「商品群の総称」と定義しています。

例えば、次のように進んでいくと、

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このように、商品名に「八海山」を持ったいくつかのアイテムが現れます。

それぞれの商品は名前が異なり、味なども異なるのですが、いずれもが「八海山」という言葉をもっています。このように、異なる商品であっても、名前の中に共通する言葉を持っている場合に、この共通する言葉を「銘柄」と、このサイトではとらえています。

銘柄は、たいていは、お酒の製造元である「蔵元」一つにつき1銘柄となっていますが、「蔵元」の名前となっていることもしばしばですが、中には、コンセプトの異なるお酒を複数製造している「蔵元」さんだと、複数の「銘柄」名を持っていたりします。

例えば、「久保田」という有名なお酒の「酒蔵」である朝日酒造さん、もともとは蔵元さんの名前とほぼ同じ、「朝日山」というお酒を造っていましたが、その後、「久保田」「越州」「越乃かぎろひ」という異なるコンセプトのもと、異なるブランドのお酒を造っています。

このサイトでは、「銘柄」の下に「商品名」を並べるというデータ構造をとっていて、各商品がどの店に置いてあるのか、ということを調べることができます。

1銘柄には多くの商品があるため、一つのお店(飲食店)で1銘柄全ての商品を置いている、ということは滅多にありません。そうしたお店があるとしたら、そのお店は、酒蔵さんが経営しているお店か、あるいは、店主がその銘柄に惚れ込んだ、こだわりのすごいお店か、ということになるのかもしれませんね。

 

 

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このサイトのホームにある「銘柄名から置いてあるお店を調べる」から進んでいくと、ある銘柄に属する商品名が並んでいる、こんなページにたどり着きます。

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「商品名」の右隣を見ると、「特定名称」という言葉があります。そして、この二つを見比べると…

ほとんどの商品名の中に「特定名称」が含まれているのがわかると思います。

 

この「特定名称」とは、いわば、日本酒の「種類」のことで、お酒の「原料」と「精米歩合」に応じて8種類の名前があります。

その8種類とは、

① 本醸造酒

② 特別本醸造酒

③ 純米酒

④ 特別純米酒

⑤ 吟醸酒

⑥ 純米吟醸酒

⑦ 大吟醸酒

⑧ 純米大吟醸酒

で、おおむね、この順番でお値段が高くなる、すなわち、①②③…の順に値段が高くなり、⑧が最もお値段の高いお酒、になっている傾向があります。このようになるのは、「原料」と「精米歩合」の組み合わせに秘密があります。順番に見ていきましょう。

 

まずは「原料」から。

「1.そもそも日本酒って?」でお話しした日本酒の定義からすると、「原料」は米、麹、水以外に何かあるの?ということになり、使っている米の種類によって変わるの?という風に思われますが、さにあらず。

日本酒を製造する際には、「醸造アルコール」を使用することが認められています。「醸造アルコール」とは、機械的に作り出したアルコールのことで、機械で大量に作れるため、単価は、お米からアルコールを作るよりもずっと安くなっています。

戦前、日本でお酒と言えば「日本酒」のことでした。今とは違い、ビールの方が日本酒より高価だったのです。

戦争が始まると物資が不足し、お酒を造るためのお米も調達が難しくなりました。そこで、政府は米から作られた日本酒に醸造アルコールを混ぜたものを「日本酒」として流通・販売することを認めました。これは、醸造アルコールを添加したお酒なので「アル添酒」と呼ばれていました。

戦争が終わっても、米不足はすぐには解消されませんでした。そこで考え出されたのが、「三倍増醸清酒」略して「三増酒」というもので、日本酒の製造過程で造られる醪(もろみ)に、水で薄めた醸造アルコールと、水あめ、味を調整するための化学物質を加えて作られたお酒でした。普通にお酒を造るときに比べて三倍の量のお酒が造れたために、このような名前になったそうです。その味については、ご想像通りの味だったようです。

この「三増酒」は、安く大量に作れるため、モノ不足が解消されても作られ続けたそうで、「日本酒=まずい」というイメージを作りだすことにもなったようです。

さすがに今では、この三増酒は作られなくなったそうですが、日本酒にアルコールを添加することは認められています。

そこで、日本酒を区別するときには、まず、材料で区別され、醸造アルコールを添加せず、米、米麹、水だけを原料として作られたものを「純米酒」として、醸造アルコールを添加したお酒と区別しています。

このように書いてくると、純米酒以外は、本当の意味での日本酒ではない、まずいお酒、と思ってしまうと思いますが、それは誤解です。

8種類のうち、①②⑤⑥が醸造アルコールが添加されているお酒ですが、「アル添酒」や「三増酒」とは違い、これらのお酒では、製造元が利益のために醸造アルコールを加えているわけではなく、お酒の味や香りをよくするために、少量の醸造アルコールを加えたお酒なのです。ですので、「純米」が付いているお酒よりもおいしい醸造アルコール添加のお酒もたくさんありますので、そのことはぜひ覚えておいてください。

 

次に「精米歩合」です。

先ほど、「原料」で日本酒は2つに分けられ、「米、米麹、水だけを原料として作られたものを『純米酒』として、醸造アルコールを添加したお酒と区別しています」と書きました。

後者の醸造アルコールを添加したお酒、これを「本醸造酒」の系統と呼ぶことにしましょう。

そうすると、日本酒は、「純米酒」の系統と、「本醸造酒」の系統に分けられることになりますが、これはさらに、「精米歩合」によって、名称が変わります。

「精米歩合」とは、「2.日本酒の作り方」でも触れていますが、「玄米の時の状態に比べて残っているお米の割合」、逆の視点から見ると、「どれだけ玄米を削ったか」、を表す数値です。

糠などはともかくとして、原理的には、お米を削らなくてもお酒は造れるのですが、それだと嫌な味のするお酒ができてしまいます。お米の外側には、お酒の味をまずくする成分があるからです。そうした成分を取り除くために、お米を削るのですが、当然ながら、削る割合が増えれば増えるほど、お酒の基となる米の量が減るので、作れるお酒の量が減ります。一方で、お酒の味を悪くする部分が減るので、削る割合が増えるほど、つまり、精米歩合が低くなるほど、作られるお酒の味は良くなります。

この、お酒の味を悪くする部分を削ったお米、換言すれば、お酒を造るために磨き上げたお米を使って、低温でゆっくりと発酵させてお酒を造ると、かぐわしい香りのする、美味しいお酒が出来上がります。こうした製法のことを「吟醸造り」、このようにしてできたお酒のことを「吟醸酒」と言います。

この「吟醸酒」は、かつては、といっても、1950年ころまでらしいですが、一部の熟練した杜氏(日本酒の製造責任者)だけが造ることのできる、特別においしいお酒で、江戸時代の将軍や大名、天皇陛下といえども、滅多には飲めないお酒だったそうです。今は、そんなお酒が比較的安価に飲めるようになったのですから、技術の進歩というのは、本当にすごいものですね。

さて、この精米歩合によって、吟醸酒か吟醸酒でないか、が決定されます。そして、吟醸酒は、精米歩合によって、「吟醸酒」と「大吟醸酒」に分けられます。もちろん、「大吟醸酒」の方が「吟醸酒」よりもお米が磨き上げられる、すなわち、精米歩合が低くなります。

また、この「吟醸造り」をしていなくても、精米歩合の低いお米を使ったり、蔵元の特別な技術によって、吟醸酒の様な、特別においしいお酒を造ることもできます。こうしたお酒を仮に「特別酒」と呼ぶとしましょう。

このように、「精米歩合」によってお酒は、普通のもの、「吟醸酒」「大吟醸酒」「特別酒」に分けることができるのです。

これまでに挙げた、「原料」と「精米歩合」を合わせると、日本酒は下表の様な8つの種類に分けられます。

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大雑把には、この表のように分類され、この8種類に該当しないものは「普通酒」に分類されます。

ちなみに、より詳しく、正確にお話しすると、この表には次のような注記が必要になります。

※1:精米歩合が60%以下で、「吟醸造り」をしていないお酒もこれに該当させることができます。

※2:「吟醸造り」である必要があります。

※3:原料の要件を満たしていれば、精米歩合が70%以下でなくても「純米酒」と名乗れます。

また、他にも、使用するお米が3等級以上の上質なお米であること、使用する白米の内15%以上を麴用として使わないといけない、などの決まりがあって、この基準を満たさないとこうした名前、「特定名称」をつけてはいけない、という決まりになっているのですが、これは、お酒を造る側を拘束するものであり、お酒を楽しむ側の方は、こだわる方は措いておいて、そうした細かいことをそれほど気にせずに、上表のような区分なんだと思っておけばよろしいかと思います。ちなみに、この「特定名称」は国税庁告示で定められているもので、国税庁のホームページで見ることができます。

 

 

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このサイトでは、各アイテムのデータを載せいています。

管理人の調査力が低いだけなのかもしれませんが、お酒をこうした数値データで表しているのは日本酒だけかと思われます。

そう、日本酒には、その味などを表す色々な数値データがあります。その中で、比較的よくつかわれるのが、この「日本酒度」です。結構多くの酒蔵のサイトで、そのアイテムの酒本種度などのデータが公開されています。

では、この「日本酒度」とは何でしょうか。

一般的には、日本酒の味、甘い・辛いの目安を示す数字として使われています。この日本酒度が高いほど、「辛い」お酒、日本酒度が低いお酒ほど、「甘い」お酒とされています。

一例をあげると、宝酒造さんの「松竹梅 白壁蔵 『澪(みお)』 スパークリング清酒」というお酒がデータベースに登録されていますが、このお酒の日本酒度はなんと、「-70」です。飲んでみると、確かに、はっきりと甘いとわかります。

一方の日本酒度の高い「辛口」といわれるお酒。

こちらは、人によって感じ方が変わるのではないかな、というのが管理人の素直な感想です。たとえば、辛口のお酒の定番の一つに亀の井酒造さんの「くどき上手 ばくれん 吟醸酒 超辛口」というお酒があります。

「辛口」と聞くと、例えば、「激辛カレー」のような、舌がマヒするような強い刺激、辛みを想像されるかと思いますが、日本酒の「辛口」というのは、もちろん、そうした辛さとは全く違います(炊いたご飯はそんな味しないですよね)。ビールに「スーパードライ」というのがありますが、あのビールも「辛口」というものの、ピリッとした刺激的な辛みはないですよね。お酒でいうところの「辛口」というのは、「甘くない」という意味だと考えるとよいかと思います。

この「日本酒度」というのは、「酒度」とあるように、同じ量の水と比べたときの重さのことです。

水と同じ重さの時、「日本酒度=0」として、

水よりも軽い → 日本酒度は+

水よりも重い → 日本酒度は-

と定められています。
日本酒の中には、「アルコール」と「糖分」がまじりあっています。「2. 日本酒の作り方」で見たように、「糖分」が麹の働きによって「お酒=アルコール」に代わることによって日本酒は出来上がります。

「アルコール」は水よりも軽いため、この「アルコール」の比重が高いと同量の水より軽くなり、「アルコール」の比重が低いと(糖分が多いということであるため)同量の水より重くなります。
お酒の中で「アルコール」の比重が高いと「糖分」が相対的に少ないことになります。逆に、お酒の中で「アルコール」の比重が低いと「糖分」は相対的に多いことになります。
そして、当然のことながら、「アルコール」の比重が高く、「糖分」が相対的に少なければ、「アルコールの味が強い・甘みが少ない」お酒になります。逆に、「アルコール」の比重が低く、「糖分」が相対的に少なければ、「アルコールの味が少ない・甘みが多い」お酒になります。

したがって、次のような関係が成り立つわけです。

日本酒度が高い→「アルコール」の比率が高い→「糖分」が相対的に少ない→甘くない=辛口

日本酒度が低い→「アルコール」の比率が低い→「糖分」が相対的に多い→甘い=甘口

そのため、「日本酒度が高いと辛口」「日本酒度が低いと甘口」と一般的には言われています。

確かに、「日本酒度」はそのように甘口・辛口の目安となるのですが、日本酒は焼酎やウイスキーとは異なる「醸造酒」で、醸造酒の中には、アルコールと糖分以外にも色々なものが溶け込んでいて、それらすべてが働きあって味が決まります。そのため、本当の意味での「甘口・辛口」を判定するときには、「甘辛度」というものが使われます。が、これは「日本酒度」に比べてほとんど公開されておらず、また、「日本酒度」と「甘口・辛口」はおおむね合致してくるため、目安としては、「日本酒度」で「甘口・辛口」を判定してもいいといえるのではないでしょうか。ただし、「甘い・辛い」は先に述べた事情や個人差もあるため、「日本酒度」が高くても、人によっては甘いと感じられます。特に、吟醸酒・大吟醸酒はそうした傾向があるように思われます。

 

 

参考文献

「日本酒」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2016年12月18日(日)2:55

「めざせ!日本酒の達人―新時代の味と出会う」山向敦子、筑摩書房

「美味しんぼ」原作:雁屋哲、作画:花咲アキラ、小学館

 

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