【海外でも日本酒の飲めるお店!】バンコク「田舎っぺ」で多彩な料理と「黄桜 山廃仕込」

 

こんにちは!
世界を旅する日本酒ライターのTAKUMAです!

微笑みの国と呼ばれるタイでは、一年を通して暑い日が日本よりもかなり多く、寒いと感じる時期が年末の数日程度しかありません。
暑い時にこそ日本酒が美味しいと感じるものですが、実際にタイでは日本人向けの飲食店が多いので気軽に日本酒を嗜むことができます。

今回はそんな中でも日本人の方が現地で経営されている、日本人向けの居酒屋をご紹介します。

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Contents

○ バンコク・プロンポンの釜飯処「田舎っぺ」

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タイはバンコクのプロンポンと呼ばれるエリアにある釜飯処「田舎っぺ」は、日本人の男性が15年ほど前に出したお店です。
主人の奥さんはモロッコ人でお子さんもおられるのですが、何故かタイにご縁がありバンコクのプロンポンエリアで日本人向けの居酒屋を開店したらしいです。

お店の外観からとてもアットホームな居酒屋だということは伝わってきたので今日はこのお店を選ぶことにしました。
店内に入ると日本にも見かけるようなカウンター席が数席と、テーブル席が数席あるこじんまりとしたお店でした。

厨房ではタイ人の男性2人が調理しており、ホールにはタイ人の女性スタッフ一人と主人がおられました。
釜飯処ということで、カウンター席の前には、ズラリと日本から取り寄せた釜が並んでいました。

この日は訪れた時間帯が早かったこともあり、お客さんは私一人だけでした。
店内のテレビでは日本の野球中継が流されていたので、注文を待つ間、野球を見ながら主人と世間話をしていました。

 

○ 「田舎っぺ」で飲める日本酒”黄桜 本醸造 山廃仕込み”

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自分が注文した”黄桜 本醸造 山廃仕込”の冷酒以外には何が置いてあったか記憶していませんが、「田舎っぺ」に置かれている日本酒の種類は多くはありませんでした。
今回のお酒は、『山廃仕込』という、明治時代に行われ始めた製法を用いて作られたお酒です。

日本酒の製造工程においては、米をアルコールに変えるために必要な酒母を造る『酒母造り』という工程があります。
伝統的な製法では、酒母を作り出すために、蒸し米と麹に水を加え、半日から1日たってから蒸し米をすり潰して酒母を造っていました。
米がアルコールに代わるには、微生物(麹)が米を分解して発酵させる必要があるのですが、米をすり潰してより柔らかくすることで、発酵を行いやすくなるのです。
このすり潰し作業のことを「山卸(やまおろし)」または「酛摺り(もとすり)」と呼び、この山卸を行ってお酒を造る製法のことを『生酛(きもと)仕込み』または、単に『生酛』といいます。

山廃仕込』とは、こうした伝統的な製法の内の「山卸」を『廃止』してお酒を造る製法のことです。
「山卸」を行わなくなったのは、明治時代に入って日本酒の醸造過程に対する研究が進み、蒸し米をすり潰さなくても米がアルコールに代わりやすい麹が開発されたり、普通の米よりも柔らかい酒造用の米が登場したり、精米技術が発達したことなどにより、「山卸」を行わなくてもよくなったためです。

なお、現在の日本酒は、『乳酸添加法』とよばれる方法が使われています。
酒母造りにおいては、酒母を酸性にするのですが、これは、アルコールを造りだす微生物は、他の微生物に比べると弱い存在なのですが、酸性の環境下においては、他の微生物はその環境では生きられない一方、アルコールを造りだす微生物は活動が可能であるため、効率よくアルコールを造りだすためには、酒母を酸性にした方がよいからです。
この酒母を酸性にするために、伝統的な製法では「山卸」が行われていたのですが、現在では酒母を酸性にするために、醸造用の特別な乳酸と酵母を蒸し米と一緒に投入して酒母を造りだします。
『生酛仕込み』や『山廃仕込み』では酒母造りに1か月ほどかかるのですが、『乳酸添加法』を用いると2週間ほどで酒母が出来上がります。そのため、この『乳酸添加法』は『速醸法』とも呼ばれています。

そのように、製法に違いのある『生酛仕込み』『山廃仕込み』と『乳酸添加法』ですが、味にも違いが出ます。
一般的に、『生酛仕込み』『山廃仕込み』で造られたお酒は、『乳酸添加法』で造られたお酒よりも旨みが濃く、豊かな味わいになります。

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この”黄桜 本醸造 山廃仕込”のお味ですが、辛味はほとんど無く、旨味と甘味が程よく感じられました。
日中かなり暑いタイだけに冷えた日本酒はとても美味しく感じる上に、それ程辛くもない日本酒なのでかなり飲みやすかったです。
ビールのようにガブガブ飲むものではありませんが、火照った体をしっかりと冷ましてくれるのが冷酒の特徴といえるかもしれませんね。

 

○ 「田舎っぺ」で食べれる料理

日本酒を頼んだ後に、この日合わせてオーダーした料理は以下の通りです。

· 本マグロの赤身(刺身)
· じゃこてんやき
· コロンブッダー
· 鮭とろ焼き
· アサリのラーメン

というのもこれら全て、今日のおすすめとして張り出されたメニューなんですね。

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名前だけではどのような料理か予測できないものもありましたが、取り敢えずこの日はおすすめとして書いてある全てのメニューを頼むことに。

 

本マグロの赤身

最初に頂いたのは「本マグロの赤身」です。

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タイで出されるマグロは全て輸入品なのですが、それでも大変美味しかったです。
”黄桜 本醸造 山廃仕込”と刺身の相性はとてもよく、日本酒と一緒に頂くことで刺身本来がもつ素材の味をしっかりと引き出してくれます。

 

じゃこてん焼き

次に頂いたのが”じゃこてんやき”。

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愛媛県の特産品ですね。
こちらも日本の居酒屋で出されるものと変わらず、美味しかったです。

日本酒のおつまみとして親しまれてきた料理であり、”黄桜 本醸造 山廃仕込”と一緒に頂く事でより美味しく感じられました。

 

コロンブッダー

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3品目に出された”コロンブッダー”も料理名からは、予測がつきませんでした。
こちらは、写真の通り、フライドポテトとコーンの盛り合わせの事でした。
先程のメニューをよく見てみると「CORN BUTTER」と書いてあり、なるほど納得の料理です。

脂っぽい料理も”黄桜 本醸造 山廃仕込”と一緒に頂く事で、口中がさっぱりとして、とても美味しく感じられました。

 

鮭とろ焼き

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最後に出されたおつまみ料理が、こちらの”鮭とろ焼き“です。
タイということで、ご想像通りかなり塩胡椒が効いていて、とても美味しかったですね。
サーモンは日本人も大好きな寿司ネタの一つですが、日本酒と一緒に頂く事でより美味しく感じられますね。

 

アサリのラーメン

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飲んで食べた後の締めとして、最後はお店のおすすめと言われて頼んだ”アサリのラーメン”。
かなり絶品でした。

あっさりとした塩味のスープがとても食べやすくて、出されてすぐに完食してしまいました。
また、アサリのお出汁がしっかりと出ていて、とても美味しかったです。

飲んで食べた後はやっぱりラーメンが欲しくなりますよね。
美味しい日本酒を飲んだ余韻に浸りながら、頂くラーメンはまた格別の美味さでした。

 

釜飯処「田舎っぺ」で美味しい料理と日本酒を頂こう!

タイのバンコクには日本人向けの居酒屋が多いので、気軽に海外にいても日本料理や日本酒を嗜むことができます。

日本酒の銘柄に関してはお店や時期によって置いているものが変わりますが、海外で日本酒を飲むのもまた良い経験だと思います。
タイへ行かれた際には今回ご紹介した釜飯処 「田舎っぺ」もぜひご利用ください。

 

<店舗情報>

· 店名:釜飯処 田舎っぺ
· 住所:6 Sukhumvit 26 Alley, Khwaeng Khlong Tan, Khet Khlong Toei, Krung Thep Maha Nakhon 10110 タイ
· TEL:+66 2 258 6263
· 営業時間:1800〜0200
· 定休日:なし
· HP:https://m.facebook.com/inakappeBKK/?locale2=ja_JP

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