イタリアンと日本酒の相性がよい理由 ―福岡「うりぼう」のお料理教室で「玉川 山廃純米にごり」―

 

福岡の特派員Nです。
今回は、福岡のイタリアンのお店の現場からお伝えします~

 

Contents

〇 イタリアンのお店に、日本酒

イタリアの家庭料理を中心に、和風のもの、おまかせパスタなど、どれを食べてもおいしいお店が、福岡市中央区赤坂にある「うりぼう」です。
閑静な住宅街、伝統ある女子高校の真ん前に位置し、舌の肥えた近所のオトナが、15時の開店以降、ぞくぞくと集まってきます。

店名の由来は、店主が亥年生まれだから、だそう。
イノシシ料理のお店というわけではありませんので!

メニューは豊富です。(お料理は別途、紙のメニュー表もあります)
結構大きなスペースを、日本酒がとっています。
やはりイタリアンなどの洋風のお料理にはワインと考えがちで、いつもそうしていましたが、今回初めて、尋ねてみました!

 

〇 「イタリアンに、日本酒は、合うんですか~?」

「うりぼう」に日本酒メニューがあるのは、単にお客さんの好みだったり、和風の味付けの料理のためだと思い込んでいたのですが、ビックリする答えが返ってきたんです!

イタリア料理は、日本料理と似てるから、日本酒が合うんですよ

おとなしい雰囲気の店主が、はっきりと断言したこの事実!
何?何が??何で??

店主曰く、

「イタリアと日本は、調理の工程が似てるんです。
イタリアンはオリーブ油やチーズ、パスタといった日本料理で使わない食材が多い印象があるから、“似てる”とは思わないと思いますけど、土地柄が似てるんです。
イタリアも日本も、海が近くて海鮮がおいしいし、野菜も肉も、新鮮なものが手に入りやすいから、例えば濃いソースをかけたりしなくてもおいしいわけで。
素材の味を生かす調理法”が同じなんです。
だから日本酒も合うんです。意外だと思いますけど。」

とのこと!
調理の工程が似ているかどうかなんて、今まで考えもしませんでした。
なんとなく、イタリアン好き♪と思っていたのは、日本の料理と似ているからだったのかも知れません。
その道のプロに聞いてみるものですね。

 

〇 レバーペーストには、この日本酒を

意外な事実を知ってしまったからには、飲まずにはいられません。
この日は、いつも頼む「白レバーのクレームブリュレ風」(500円)と、それに合う日本酒ということでオーダーしてみました。

レバーペーストは、いわゆるレバー臭さが全くない、舌触りが滑らかな、ローズマリー香る逸品です。
クレームブリュレ風ということで、表面の砂糖がバーナーで炙られ飴状になっています。

では、どの日本酒がレバーペーストに合うのでしょうか。
店主曰く、「『自然のまんま 生酛純米 無濾過生』か、『玉川 山廃純米にごり』ですね。にごり酒が苦手でなければ、こっちでどうですか?」

ということで、二つ返事で決定。

玉川 山廃 純米にごり」(京都府京丹後市/木下酒造有限会社)、一杯 600円です。
注ぐ前、一升瓶を何度も逆さまにしてよく振っていらしたので、オリが多いようです。

純白のにごり酒は、口当たりがトロっとしていて濃厚。
まるで漉した甘酒のようであり、飲むヨーグルトのようであり、甘味とほんの少しの酸味が絶妙な味わいです。
飲み過ぎそうで、危険(笑)
甘いデザートワインのように、これ単体でデザートとして飲みたいくらい、味が濃いです。

レバーペーストと合わせると、さて、どうなるでしょうか。

滑らか&滑らかな口当たりで、かなりの一体感が生まれます。
それと同時に、レバー単独で食べたときにはそれほど感じなかったレバーやハーブの華やかな香りが、日本酒をいただくと急激に広がり、鼻からふわっと抜けていきます。

足し算でも掛け算でもなく、「にごり酒=レバーペースト」と、イコールで結ばれるように一瞬で融合し、舌触りではどっちがどっちかわからなくなり、それぞれの存在感は味わいだけで確認するという感覚でした。
そして、青空に浮かんだ飛行機雲が消えるときのように、同時に消えていく美しさがあります。

あー。。。
あっという間に食べてしまいました。

次回訪れた際は、また別のお料理で別の日本酒のオススメを教えてもらおうと思います。

 

〇 ちなみに、、、

この日お店に行った目的は「お料理教室」で、生徒はカウンターに座ったまま、先生である店主の手元をひたすら見学し、そこでできたお料理を食べるという、かなり楽チン(笑)な勉強会です。

サルティンボッカ

月に1度の料理教室や、ワイン、日本酒のイベントなども不定期で行われていますので、遠方からお越しの際は、お問い合わせされることをおすすめします。

今回は、衝撃の事実を知ったイタリアンの現場からお伝えしました~

 

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