樽酒(たるざけ)
「樽酒」とは、木材で作られた樽の中で貯蔵され、その木材の香りがする日本酒のこと。
醸造されたお酒を貯蔵する容器としては樽やタンクが使われますが、昭和の初めころまでは、日本酒は木材で作られた樽で貯蔵されていました。
この樽の材料には、お酒に与える影響が少ない杉の木が主に使われていましたが、大正末から昭和の初め頃になると、杉の木以上にお酒に影響を与えにくく、不要な微生物が繁殖しにくく、漏れないという特徴を持った琺瑯タンクが、日本酒の貯蔵用の容器として使われるようになり、樹でできた樽で保存されたお酒は特に「樽酒」と呼ばれるようになりました。
樽酒の味の特徴は、その樽の木材に由来する味・香りがあることです。
飲み方には、そのまま飲むほか、ソルティードッグのように、酒器の口に塩を付けて、その塩と一緒に飲む、といったものがあります。
この場合、お酒にもよりますが、スイカと塩のように、旨みが強調されることが多いようです。
なお、樽酒は、国税庁が定める「清酒の製法品質表示基準」により、以下のもののみが「樽酒」と表示することを許されます。
【清酒の製法品質表示基準】
(任意記載事項の表示)
5 次の各号に掲げる事項を清酒の容器又は包装に表示する場合は、それぞれ当該各号に掲げるところにより行うものとする。
(8) 樽酒
樽酒の用語は、木製の樽で貯蔵し、木香のついた清酒(びんその他の容器に詰め替えたものを含む。)である場合に表示できるものとする。